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企業経営体系の再設計から始まるビジョン経営

今、数多くの企業で企業理念やビジョンが策定され発信されていますが、これらは用語や定義こそ共通ながらその組合せや表現の仕方は様々であり、それだけに各企業とも思いをこめて練り上げてこられた感がうかがえます。個性・特長・持ち味、これらこそがパーパス(存在意義)の原点かも知れません。

余談ですが、これらの中で使われるパーパスやミッションなどの用語や定義、それをもとに図式化したものなどは多くが先人達の知恵、即ちオープン情報故、決してノウハウではありません。これらを使ってどのように志を描き、目指す方向性を導き、どのような手を打っていくか、その最適解を導く手法、その見えないところにこそノウハウがあるのです。

ところで私がクライアントと共にこれらを策定する際に最も気をつけていることがあります。それは、魅力があり実効性のあるものを創るという点に加えて、社員はもちろんのこと社外の取引先などステークホルダの方々にも理解されやすいものにするという点です。というのも長年の経験の中で社員が自社の経営理念が策定された背景やその意味を知らないとか、経営幹部が自部門以外の事業や商品を語れないなどといったことを数多く目にしてきたからです。「浸透してこそ理念、実行してこそ戦略、成果をあげてこそ経営」やはり趣旨目的を外してはならないと改めて思う次第です。

添付の図は、私がクライアントの理念やビジョンなどを策定する際の体系です。「感覚的に捉えやすく、できるだけわかりやすい言葉で表現する、長々しい言葉を使わない、見栄え重視のヨコ文字(英語)だらけの文章は避ける」等々に留意しています。加えて細かな点ではありますが、構成も一般的なパーパスとMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を基本的には不易(時代が変わっても度々変えないもの=企業理念)と流行(時代に併せて変えていくもの=ビジョン)に分離するなどクライアントと工夫を凝らし、できるだけ目線を受け手に合わせて表現していく、そうしてこそ分かり合え、浸透していくと考えています。

これからビジョン再構築、経営戦略の構築、中期経営計画の策定の節目にある企業は、その前に今一度、企業経営の体系を再考する、言葉遣いや表現方法に気を遣う、これらを通じて理解されやすい企業経営体系を検討されてみてはいがでしょう。

保木本 正典

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