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経営理念の真偽を問う

今の世の中、経営理念のない会社はほぼ見受けられない。ただこの経営理念、私もこれまで数多くの企業で策定支援をしてきたものの、策定以上に実践が(極めて)難しいというのが実感である。実際、「掲げた内容がしっかりと実践されている企業はほとんどないのではないか」そう思っている。経営者からすると、いやいや経営理念は永遠のテーマですよと反論されそうだが、それでは絵に描いた餅と一緒、私は経営理念にも目標(到達点、期限)があるべきと思う。

経営理念はどの会社も壮大であるが故、完璧な実現は極めて困難ではある。しかしながら3年後、2年後、来年までにこのレベルにまで高めていこうというマイルストーンくらいはあってもよいのではないだろうか。

法令順守の徹底、誠実な顧客対応、積極的な行動、などと多くの企業で掲げられいるが、そのままではあまりに曖昧であり、実現の可否は判断できない。例えば法令順守であれば、まずは1年目においては全社員がコンプライアンスを理解する。その判断基準は既定の理解度テストで全員が合格点60点以上。続いて2年目からは具体的なコンプライアンス違反の事象を挙げてゆき、それをチェックリスト化して全社員が90%以上をクリアする等々。

各社が掲げている経営理念の審判は経営者や社員ではなく、顧客をはじめとするステークホルダーによってくだされる。客観的に会社を見ている彼らに今一度、経営理念の真偽を問うてみたい。昨今、コンプライアンスに関わる課題はニュースにも数多く取り上げられている。パーパス経営が叫ばれる今、経営理念の具体化や理念目標の設定、日常の実践マネジメントを行うことで「真に誠実な企業」として市場に再認識されることに私としては大いなる意義を感じる。

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保木本 正典

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