新たな時代に経営のあり方を再発信しよう
最近、上場企業をはじめMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を取り上げるケースがとても多くなってまいりました。このMVVの概念自体、決して目新しいものではなく、ピーター・F・ドラッカー氏が著書「Managing in the Next Society」で提唱して以来、かなりの年月が経っています。今、世の中では、MVVと併せてパーパスやビジョン、企業理念や経営理念などと数多くの用語が飛び交っていますが各社は皆一様ではなく、自社にあった独自の体系を構築し、社内外に発信しているようです。
一方、これまで長年にわたって各社のビジョンや経営理念を経営陣と共に構築してきた私自身としては、「流行りに乗せられるのではなく浸透、実践、成果にこそ力を注ぐべき」という思いが強すぎたあまり、パーパスやMVVに特別なものを感じていなかったのですが、最近になってその考えを変えてきているというのが正直な思いです。
と申しますのも、昨今のパーパス経営や人的資本経営といった考え方そのものがこれまでと異なる流れを創ろうとしているからです。これらのワードがこれからの人材採用や組織活性化など経営に及ぼす影響を決して無視できず、今一度、新たな時代に向けてこれらを体系的に見直し、社内外に再発信すべき時に来ているように思います。大手企業のみならず、中小企業においても新たな経営のあり方を問われている、そのような気がしています。
もちろん大事なのは創って終わりではなく、大半の社員が理解し、実践し、改めてその価値を実感できなければ単なる装飾された作品でしかないということは言うまでもありません。