戦略発想とは、変わりゆく環境変化を予測し、自社の強みや弱みを認識した上で打つべき手を考えることである。その考え方のベースには、環境適応・環境創造がある。将来における会社や商品、人などに関して常にあるべき姿を明確に描き、現状とのギャップを戦略課題として捉え、計画的な対処を図っていくことである。しかしながら人は、どうしても未来よりも過去や現在にとらわれすぎてしまうもの。昨年がこうだったから今年はもう少しなどと過去の延長線上で物事をとらえがちである。リーマンショック、震災、洪水、金融危機、円高等々、この数年間だけでも大環境変化の連続である。真にこれからの企業経営は、現場からの積み方式でなく、変わりゆくマーケットからの逆算方式で考えていかなくてはいけない。社内や過去、現在も確かに大事だが、もっと市場を見るべき、もっと市場の声を聴くべき、もっと市場に創造的な問いを投げかけるべき時に来ていると言える。