最近、若い世代の社長、並びに後継者の台頭が目立つ。そこで気づかされることは、優良企業ほど事業承継の時期が比較的に早く、用意も周到であるということだ。まさに事業承継に関しても先手先行経営が重要であることを実感させられる。
ところで仕事柄、後継者と創業者の違いを問われることが多い。あくまで一般論であることをお断りした上でお話させていただくとすれば、創業者は人志向で”企業は人なり”の実践型である。常に率先垂範であり、愛情込めた叱咤激励が行き交い、気配り・心配り等、時に人心掌握への執着心さえ感じる。これに対して後継者は物志向で人間関係の煩わしさなのかシステムだけで人を動かしがちである。協調的、冷静沈着ながら自分に優しく、他人に厳しい傾向も甘さの一部として併せ持っている。さらに金志向でもある。引き継いだモノを守らねば、とか失敗しないようにという思いから”使うべき時期”の判断を誤り、大胆さや決断力に欠けることも多い。一方、創業者は「『駄目であればまた一から、つまり裸一貫から出直せばよい」と腰が据わり決断に迷いがない。
時代は大きく変わってきている。引き継いだ後継者も創業者と大きく異なる環境のもとで必死に事業を適応化しているという点では(第二)創業者そのものだ。こだわりも必要だが、割り切りも時には重要だ。後継者の創業者魂に期待したい。