世の中では今、多くの企業で世代交代が行われている。この事業承継は、これを機に、さらに成長するか衰退するか、企業経営の歴史の大きな分岐点と言えよう。そこで進言したいのが、後継者には、これまでの良き風土、仕組みを継続しつつ、徐々に改革を図って欲しいということだ。これまでの伝統や先代社長の考え方をしっかりと受け継ぎ、徐々に自分自身の考えや手法を導入していくことだ。血(体質)を一気に入れ替えては死に体となる恐れがある。松尾芭蕉の俳諧の哲学、不易流行とは、「不易」は永遠に変わらない伝統. や芸術の精神,「流行」は新しさを求めて時代に合わせて変えていく、改善、改革を指す。そのためにも、事業承継におけるバトンタッチの両者が少なくとも一定期間(3~5年)、並走することが極めて重要と言える。