日々、各企業をコンサルティングをしているが、この数年で大きく変わってきたものの一つが人事制度と言える。かつてのように単純な年功序列制度を志向している会社は、中小企業を含めても全体の1割以下であろう。最近の人事制度改定にあたっての視点は3つある。成果主義、教育との連動、価値観の多様化である。
(1)(成果主義)成果をどうとらえるかは大きな課題であるが、基本的な流れはこの方向にある。中でも個人評価とチーム評価のバランスに留意したい。
(2)(教育との連動)単に結果を評価するだけでは何にもならない。よい結果、即ち成果を挙げられるように育てていくことが肝心である。これは新卒に限らず、即戦力の中途社員においても同様である。知識や技能をどのように評価し、足りない点を育成していくか、その具体的かつ計画的な育成制度が鍵を握る。
(3)(価値観の多様化)昔と今では社員の価値観が大きく異なっている。現在の人事制度が様々な価値観をもつ社員の生き方と違えば、優秀な社員ほどやめてしまうであろう。これからは各人の良さを活かすことが重要である。人を束ねていくマネジメント力に長けている人もいれば、こつこつと着実に業務を遂行していく人もいる。これまでの制度であれば数年も経つと課長、部長として評価・処遇される。しかし明らかに力の発揮の為所が違うのである。マネジメントコースとスペシャリストコースという選択があってもよい。一頃、CMであったような”今時、選べないなんて”である。
いずれにせよ、どんな時代でも人は評価されるために動く。それだけに人事制度のもつ意義は大きい。