働き方改革に通じる効率的な仕事の進め方。前回は基本的な着眼点を示したが、今回は、もう少し具体的な話をしたい。その前に、仕事の生産性=時間の使い方×仕事の仕方だ。今回も、前回①同様に時間の使い方を考える。前回の視点にもとづき棚卸したことで少しは仕事が精査されただろうか。さて、今回はタイムマネジメントである。スリム化された各タスクを効率よくスケジュールに落としていこう。
1.(タスクのプライオリティ)時間に制約を受ける仕事、それが最優先。例えば会議やクライアントとのアポイント。社内業務と社外業務は、午前もしくは午後に寄せたい、それによって直行直帰も可能だ。会議は90分を限度とし、短い打合せは立って行うなど伸びない工夫が必要。続いては、自分だけで完結しない業務、つまり業者や部下、他部門の人が絡む仕事である。これは相手の都合があるだけに真っ先にアポイント、もしくは依頼をかけておこう。
2.(効率を考えたタスク)社外では移動効率を考えてアポイントを取ることが大切だ。移動時間は全く付加価値を生まない、明らかなロスタイムである。行く方面を考えながらその先に近いクライアントからアポイントを入れていこう。簡単ではないがやっていればなれる。アポイントの段階からもう交渉は始まっている。
3.(集中力の発揮)集中できる環境と時間が必要だ。集中力を発揮することで人は何倍もの生産性をあげることができる。もちろん逆も言える。社内に部屋があれば時に個室を抑えたい。その時間は電話にも出れないことを公言する。もっと自由に出来るのは先ほどの移動、そして出張時のホテル。一人になれるから自分の使いたいように時間が使える。一心不乱に仕事をしていても誰かに声をかけられたらそこで思考が止まる。「さて、どこまでやっていたっけ」、仕事に再び取り掛かるまでに思考の立ち上がりロスが発生する。移動を自腹で指定席をとるのも生産性本位の考え方でいけば納得できる。午前と午後に2セット(ワンセット90分)取れれば企画立案などの業務はすこぶる進むことだろう。
4.(5Sの徹底)中でも整理整頓の徹底は重要だ。ものを探す時間は実にもったいない、積み重なると相当な時間になる。ところで整理とは、必要なものと不要なものを分け、後者を捨てきること。整頓とは、すぐに取り出せるように置く場所を決め、表示をつけて誰にでもわかるようにすることである。
5.(並行して処理をする)行儀はよくないが、食事をしながらTVや新聞から情報をインプット。交通機関で移動しながら耳からインプット。ながら仕事である。コピーをかけている時にコピー機に張り付いている時間は全くの無駄だ。
6.(報連相の徹底)当たり前のことだが、意外と生産性に多大な影響を与えるのがこの報連相である。言っておいたはず、思っていたのと資料の出来上がりが違う。コミュニケーションギャップである。ロス回避の手法とも言えるが、仕事を依頼するときにここまででいいよと限定しておくと余計な仕事を発生させなくて済む。きめ細かなやり取りがお互いの生産性を決める。5W2Hの視点でしっかりとおさえておきたい。