私は、世の中で最も価値の高い仕事は、人の意識を変えることだと思う。「なんだ、意識改革か」と簡単に言ってしまう人もいるが、これは実に難題である。事業の黒字化、事業開発、商品開発等々、この世に課題は多々あるが、最も難題なのが、それらをやり遂げる人の「意識を変えること」、そう意識改革である。
貴方の部下に、「期限を守らない、約束を守らない、報告をしない、整理整頓ができない」といった人はいないだろうか。いるとすれば、貴方は注意していますか、正していますかd注意しないのであれば上司失格であり、正せないのであればその行為の裏側にある意識という本質的な課題にまで踏み込んでいないからだと思う。中間管理職への「人任せ」、あるいは「本人のせい」ということで諦めてしまっている。人の行いは、その人の意識次第であり、実際に成果は能力よりも意識の差が決め手となるケースが多い。
さて、この意識とやらを変えるには、何が大事か、そうまずは相手と真剣に向き合うことである。「今のような考えや行動を真剣に改めてもらわないと、貴方自身のためにならない、会社にも存在価値を提供できない」、ストレートに言うかどうかは信頼関係次第だが、時に聞き流せないようなショックを与えなければ、人は決して変わらないだろう。大事なのは正す側の真剣度だ。
部下の意識を変える、高いレベルで維持させることこそ上司本来の仕事であり、それを避けてはいけない、逃げてはいけない。組織における改革は上層部から始まる。トップ自らが自己改革を行い、幹部の意識を変え、その幹部がさらに部下の意識を変える。組織の活性化は真に経営者・幹部にかかっている。