働き方改革の逆行
これまでも働き方改革の目的や本質については。様々なお話をしてきた。今回は、以下のような声をお聴きすることが多くなってきたので改めてこのテーマを取り上げてみた。
「働き方改革で残業がなくなり収入が減った。だから副業をしないといけない。以前より時間的な余裕もなくなり、体もきつくなった」明らかに働き方改革が逆行している。
それは何故か?根本的な原因は、日本の賃金の低さだろう。米住宅都市開発省の調査では、サンフランシスコでは年収1400万円の4人家族を低所得者に分類した。一方で厚生労働省によると、日本の世帯年収の平均は約550万円(2017年実績)、1000万円を超える世帯は10%強に過ぎないらしい。
それは何故か?労働生産性の低さである。日本は生産性が低いから海外の人が働く時間以上に働く、つまり労働時間の多さでカバーしなくてはいけない。
ではどうすればいい?貴方も貴方の会社も徹底した成果主義になることだ。以前にも示したこの成果を分解すると、成果=生産性(成果÷労働時間)×労働時間となる。生産性を高めるか、たくさん働くか。もちろん前者しかない。
だからどうすればいい?成果とは何か。費用対効果である。その価値を認めさせよう。貴方がもらう賃金(費用)以上の価値(効果)が仕事にあればいいのだ。
まずは仕事の価値を精査して欲しい。貴方のやり遂げた仕事は他の人でも出来ますか?貴方しか出来ないのであれば言い値で価値を評価出来るかもしれない。他の人でも出来るのであれば、どれだけ早く貴方がその仕事を出来るかである。カギはスピード、時間当たり生産性だ。このように仕事の中身や価値を働く者と会社がもっとしっかりとみて判断、価値評価していく時に来ているのではないか。
せめて努力して高い生産性を上げている人たちに働き方改革の恩恵が与えられる社会になって欲しいものだ。