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職業に貴賎なし

どのような仕事も社会に必要とされている。働くことは等しく貴いことであり、よって仕事の内容によって人を差別してはならない。これは、江戸時代の思想家、石田梅岩の教えである。士農工商の階層は、職務の違いであり、人間価値の上下、貴賤に基因しないというものである。士農工商とは、武士が治め、農民が生産し、職人が道具を作り、商人が流通させる。皆、自身の職業を全うすることで世の中が成り立っている。これは現代においても同様である。

ところが時折、勘違いしている人を見て残念に思うことがある。あるビジネスマンがトイレ清掃の人達を見下したかのように「あんな仕事だけはしたくないな」と言う。子供と一緒に歩いている母親が「勉強しないとこういう仕事をしないといけなくなるんだよ」とゴミ収集作業者や建設現場の人たちを指して子供に言い聞かせている。とんでもないことだ。

貴方が用を足した後始末をしてくれている、貴方が利用している店舗や学校や電気水道ガスなどのインフラ設備を造ってくれている。誰のおかげで今の生活が出来ていると思っているのだろうか。見下すのではなく、「いつもお世話になっています」と心で感謝すべきである。昔も今も衣食住に関して皆がそれぞれ手分けをして創り出したものを共有し合って世の中は成り立っている。職業に貴賎なし。この心はいつまでも大事にしていきたい。

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